塾講師時代に子供向けに書いた文章をそのまま載せます。
勉強に、スポーツに励んでいるかな?今回は、夏休みに克服してほしい課題として、食べ物の好き嫌いについて考えてみよう。
人は甘味と油がとても好きだよね。それはどうしてだと思う?強い甘味が熟した果実にあるのは知ってるよね。その甘味の成分である糖は、体の中ですぐにエネルギーに変わるんだよ。また、油は1gあたりのカロリーが、ほかの栄養素の2倍以上もあるんだよ。だから、人はその糖や油を好んで食べようとするし、それらがおいしいと感じるようになったんだね。
では塩についてはどうだろうか?塩は、人にとって絶対必要なものであることは知っているよね。でもそれはどうしてだと思う?塩は、細胞がいろいろな栄養素を取り込むときに重要な働きをしているので、塩がないと栄養素が取り込めなくて死んでしまうというわけだ。昔、塩が手に入りにくかった頃、塩が今の給料と同じだったことは知っているかな?英語のサラリーが、塩のソルトを語源にしていることからも想像はつくよね。では、どういう時に塩がよく使われると思う?それは肉などのたんぱく質を取るときに多く使われるんだよ。というのも、たんぱく質そのものには味がないからなんだ。また、日本人が塩をとりすぎる傾向にあるのはどうしてだと思う?実は、日本人がよく使う“だし”に原因があるんだよ。この“だし”は、たんぱく質を捨ててその食品中のうまみだけを取り出したものなので、それを利用すると、たんぱく質をとることなく塩だけを取ることになるので、塩を取りすぎてしまうというわけだ。わかったかな?
ところで、ニンジンやピーマンは、どうして子供に嫌われるのか解るかな?ニンジンやピーマンには独特のにおいがあって、大人でもたくさんは食べられないものだよね。ではどうしてたくさん食べられないのかな?これらにはビタミンAが多量に含まれていて、取り過ぎると骨の形成に害がある(他のビタミンは取りすぎによる害は少ない)といわれているからなんだ。しかし、ビタミンAは非常に重要で、絶対必要な栄養素でもあるんだよ(最近ガンに効くなど注目されている)。だから、人はその存在を知る手がかりを本能的に手に入れる一方で、取りすぎにならないためのブレーキシステムも手に入れたのかもしれないね。
まとめとして、人は体に有害な食品をまずいと感じ、栄養価の優れた食品をおいしいと感じるように発達してきたんだ。だから、人がおいしいと感じる料理が、本当によい食事と言えるはずなんだ。しかし、実際はしょうゆやソースなどの調味料を多く使い、あたかも数種類の野菜や果実が入っているかのような味をさせているので、食品本来が持っている栄養素の味でなく、見せかけの味でしかないものになっているんだ。だから、調味料に頼らず、食品本来の持つ味をバランスよく取ることで、本当においしい食事になり、人が必要とする栄養素をすべて含むことになるんだ。これは、勉強についても同じことがいえるんだよ。英語(外国語)、数学(算数)、国語、理科、社会、実技教科などこれらすべてが必要不可欠な科目で、人が生きていく上で必要だからこそ勉強しているんだ。栄養素が一つでも欠けると生きていけないのと同じで、科目の一つでも欠けると不充分なんだ。だから、君たちも調味料(遊びなど)の誘惑に負けることなく、全ての科目が好きになってくれることを願っている。
ガンバレ!!
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